「スーパーで塩を買うとき、どれが“安心して毎日使える塩”なのか分からない…」

そんなふうに迷ったことはありませんか。
私も家族の食事を意識するようになってから、塩の成分表示や製法をじっくり見るようになりました。今では、お気に入りの天然塩を朝のスープにひとつまみ入れるのが日課です。

体がふっと目覚めるような感覚と、やさしい塩味に支えられて、一日のスタートが心地よくなります。
一方で、スーパーには
- ミネラルがほとんど含まれていない精製塩
- にがりを後から加えた加工塩
- 減塩タイプの塩
など、本当にたくさんの種類が並んでいます。パッと見ただけでは違いが分かりにくく、「体にいい塩ってどれなんだろう?」と感じてしまいますよね。
この記事では、自然派・無添加志向の方向けに、スーパーでも手に入りやすい“ミネラルを意識した塩”を7つ厳選してご紹介します。いずれも、毎日のごはんの味をそっと引き立ててくれる塩ばかりです。
あわせて、
- 「スーパーで“安全な塩”を選ぶポイント」
- 「天然塩と精製塩の違い」
- 「ミネラル量の比較一覧」
などもまとめました。塩選びに悩んだときの、小さな道しるべになればうれしいです。
天然塩と精製塩の違いをやさしく解説
まずは、「体にいい塩ってなんだろう?」という疑問から整理してみます。

ここでは難しいことは抜きにして、「どういう塩を選びたいか」という視点で見ていきますね。
天然塩(自然塩)の特徴
この記事で言う「天然塩」とは、海水・湖水・岩塩などを原料に、比較的シンプルな方法で作られた塩のことを指します。
- 海水由来のミネラル(カリウム・マグネシウム・カルシウムなど)が残りやすい
- しょっぱさだけではなく、まろやかさや旨みを感じやすい
- 製法がシンプルなものが多く、原材料表示も分かりやすい
こうした特徴から、「ミネラルを意識して塩を選びたい」「素材の味を大事にしたい」という方に好まれています。
精製塩とのちがい(ざっくり比較)
| 項目 | 天然塩(自然塩) | 精製塩 |
|---|---|---|
| 原料 | 海水・湖水・岩塩など | 主に海水 |
| 製法 | 天日・平釜など、比較的シンプル | イオン交換膜などで塩化ナトリウムを高純度に取り出す |
| ミネラル | カリウム・マグネシウムなどが残ることが多い | ほぼ塩化ナトリウムのみ |
| 風味 | まろやかで奥行きがある | しょっぱさがストレートに立つ |
精製塩が「悪いもの」というわけではありませんが、“ミネラルも一緒に取り入れたい”、“尖ったしょっぱさよりも、やさしい塩味が好き”という方には、天然塩タイプを選ぶとしっくりきやすいと感じています。
※どの塩でも、塩分のとり過ぎには注意が必要です。高血圧や持病がある場合は、必ず医師の指示を優先してくださいね。
同じ天然塩でも、「岩塩と海塩はどう違うの?」と気になる方も多いと思います。
私が実際に使いながらまとめた「岩塩と海塩の違い・選び方ガイド」もあるので、気になる方はこちらもどうぞ。
👉 岩塩と海塩の違いをくわしく知りたい方はこちら
スーパーで“安全な塩”を選ぶ3つのポイント
「安全な塩」「体にいい塩」と聞くと難しそうに感じますが、スーパーでラベルを見るときは、次の3つだけ意識すれば十分だと思っています。
① 成分表示にミネラルの記載があるか
パッケージの栄養成分表示に、カリウム・マグネシウム・カルシウムなどが書かれているかをチェックしてみてください。
- 記載がある:ミネラルを意識して作られている目安になりやすい
- 記載なし:必ずしも悪いわけではありませんが、「ミネラル重視」という視点では選びにくい場合もあります

あくまで目安ですが、「せっかくならミネラルも意識したい」という方には、表示がある商品がおすすめです。
② 粒の大きさと用途が合っているか
同じ塩でも、粒の大きさによって向いている料理が変わります。
- 中粒:毎日のおかず・味噌汁・炒め物など、万能タイプ
- 粗塩:ぬか漬け・梅干し・味噌など保存食づくりに
- パウダー状:スープ・サラダ・温野菜の仕上げ、おにぎりの表面などに

「万能タイプ」と「仕上げ用」の2種類を持っておくと、使い分けがとてもラクになります。
③ 価格と使い切りやすさも大事
天然塩は、お値段もかなり幅があります。
- まずは小さめサイズから試す
- 家族の好みが分かってきたら大きめサイズに切り替える
この順番で選ぶと、無理なく続けやすいです。

特に初めての塩は、味の感じ方も違うので“お試しサイズ→リピート” という流れがおすすめ。
スーパーの塩売り場には、「これは天然塩?精製塩?」と迷う有名ブランドの塩も多いですよね。
私が実際にパッケージ表示を確認しながらまとめた記事もあるので、気になる方はこちらもどうぞ。
👉 スーパーでよく見る塩の“本当の中身”をチェックした記事はこちら
【2025年最新版】スーパーで買える天然塩おすすめ7選
ここからは、スーパーや自然食品店で比較的見かけやすい塩を7つご紹介します。
それぞれ、
- 特徴がひと目でわかる1行まとめ
- 向いている料理・使い方
- ミネラルや味のポイント
をセットでまとめました。商品名で検索すると、Amazonなどの通販でも見つかるものが多いです。
海の精 あらしお(伊豆大島)|和食に迷ったらまずこれ
和食との相性バツグン。迷ったらまず試してほしい“定番の自然塩”
- 原産地:東京都・伊豆大島
- 製法:天日濃縮+平釜炊き
- 粒の大きさ:中粒
- 味の特徴:まろやかで深みのある塩味。白米や野菜の甘みを引き出してくれます。
こんな方におすすめ
- 「最初の1本にどれを選べばいいか分からない」
- 「毎日の味噌汁・煮物・おにぎりに使える塩が欲しい」
おすすめの使い方
- ご飯を炊くときにひとつまみ
- 塩むすび
- 湯豆腐やゆで野菜の仕上げ
多くの自然食品店や一部スーパーのほか、商品名で検索するとAmazonなどの通販でも購入できます。
ぬちまーす|ミネラル重視の“お守り塩”
ミネラルの種類がとても豊富。少量で味が決まりやすい“サポート塩”
- 原産地:沖縄県
- 製法:常温瞬間空中結晶製法
- 粒の大きさ:きめ細かいパウダー状
- 味の特徴:やさしいしょっぱさで、どことなく甘みも感じる味わい。溶けやすいのが特徴です。
こんな方に
- ミネラルをしっかり意識したい
- 夏場の水分・塩分補給に気を配りたい
- 朝のスープや味噌汁を少し“ごほうび仕様”にしたい
おすすめの使い方
- 朝の味噌汁やスープにひとつまみ
- サラダ・温野菜の仕上げ
- 手作りドレッシング

自然食品店や一部のスーパーのほか、ぬちまーすの名前で検索するとオンラインでも見つかりやすい商品です。
赤穂の天塩|コスパと続けやすさ重視の1本
手頃な価格と味のバランスが良く、毎日の料理でたっぷり使いやすい
- 原料:メキシコ産天日塩+国内のにがり(兵庫県)
- 製法:再製加工塩(溶解→にがり添加→再結晶)
- 粒の大きさ:中粒
- 味の特徴:クセの少ないストレートなしょっぱさ。どんな料理にも合わせやすいです。
ポイント
「完全な天然塩」というより、“ミネラルを加えて使いやすくした加工塩”に近いタイプです。
それでも、スーパーで手に入りやすく、価格も続けやすいので、「まずは精製塩から一歩進みたい」という方の入り口にちょうど良いと感じています。
おすすめの使い方
- 炒め物・煮物など、毎日の定番おかず
- パスタのゆで塩
- 大容量をよく使うご家庭
多くのスーパーで見かける定番商品で、ネットでも非常に探しやすい塩です。
ぬちまーす クッキングボトル|仕上げにひと吹きの液体塩
料理の最後にシュッとひと吹き。テーブルに置いておきたい“かけるぬちまーす”
- 内容:ぬちまーす入りの液体塩(ボトルタイプ)
- 味の特徴:素材の味を邪魔しない、やさしい塩味。かけすぎにくいのもポイントです。
おすすめシーン
- 焼き野菜・グリルチキンの仕上げ
- 冷ややっこ・サラダにひと吹き
- 「あとちょっと塩気が欲しい」というときのテーブルソルト代わり

キッチンに1本置いておくと、“ちょい足し”の塩加減が失敗しにくくなります。
やさしお|減塩したい人向けの“番外編”
塩分50%カットでも、なるべくいつもの感覚で使いたい人に
- 製法:塩化ナトリウムの一部をカリウムに置き換えた減塩タイプ
- 味の特徴:通常の食塩にかなり近い使い心地で、「減塩している感じ」が少なめです。
こんな方に
- 医師から減塩を勧められている
- 家族の中に塩分量が気になる人がいる
- 「まずは調味料から少しずつ変えてみたい」と感じている
注意点
腎臓病などでカリウム制限がある方は、医師から使用を控えるよう指示される場合があります。必ず主治医の指示を優先してください。
この記事では、やさしおを「減塩を意識したい方向けの番外編」としてご紹介しています。
シママース|保存食づくりにも頼れる沖縄の粗塩
にがりのコクがしっかり。発酵食や保存食づくりに活躍する塩
- 原料:オーストラリア産の原料塩+沖縄のにがり
- 製法:平釜で煮詰めたあと、天日干し
- 粒の大きさ:粗塩
- 味の特徴:にがり由来のコクがあり、力強い塩味。しっかり塩気を出したい料理に向きます。
おすすめの使い方
- 梅干し・味噌・ぬか漬けなどの保存食
- 塩麹・塩レモン
- しっかり塩味がお好きな方のおにぎり

「発酵食や保存食に使う塩を探している」という方に、とても心強い1本だと思います。
フルール・ド・セル|いつもの料理を格上げする“塩の花”
特別な日の仕上げにふさわしい、上品な“塩の花”
- 原産地:フランス・ブルターニュ地方など
- 製法:塩田の表面に浮かんだ結晶を、手でそっとすくい取って作られる天日塩
- 粒の大きさ:極薄のひらひらとした結晶
- 味の特徴:とがりの少ないまろやかな塩味で、口どけが良いのが魅力です。
おすすめの使い方
- ステーキやローストビーフの仕上げ
- カルパッチョやグリル野菜に軽くひとつまみ
- バゲット+バター+フルール・ド・セルで、シンプルなごちそうに

カルディなどの輸入食材店や、一部スーパーのほか、通販で選ぶのもおすすめの“ごほうび塩”です。
天然塩のミネラル量を比較【一覧表】
主要な天然塩のミネラル量(100gあたり)の一例です。
| 商品名 | カリウム (mg) | マグネシウム (mg) | カルシウム (mg) |
|---|---|---|---|
| ぬちまーす | 約960 | 約1050 | 約300 |
| 海の精 あらしお | 約270 | 約320 | 約130 |
| シママース | 約100 | 約230 | 約80 |
| 赤穂の天塩 | 約90 | 約100 | 約40 |
※参考:各商品パッケージ・公式サイト(2025年時点の情報)
数字だけを見ると、ぬちまーすのミネラル量がとても高いですね。
一方で、海の精はバランスが良く、味の整いやすさという点で「毎日の料理向き」かと思います。

「どれが一番いい塩か」というよりも、自分や家族の好み・続けやすさで選んでいくのがいちばん大事だと思っています。
天然塩の保存方法と、かんたん活用アイデア
湿気を防ぐ保存のコツ
天然塩は、少し湿気を吸いやすい性質があります。
- フタがしっかり閉まる容器に入れる
- 乾燥剤を一緒に入れておく
- コンロ周りなど、高温多湿の場所は避ける

固まってしまっても、品質がすぐに悪くなるわけではありません。私は、大きな塊をそのまま“ガリッ”と使うのも、ちょっと楽しいなと感じています。
塩レモン・塩こうじなどのかんたんレシピ
塩レモン
- レモン1個を輪切りまたはくし切りにする
- レモンの重量の約10%の塩をまぶして保存瓶へ
- 冷蔵庫で1〜2週間ほど置くと、まろやかな酸味と塩味に

→ 肉や魚の下味、ドレッシングなどに使えます。
塩こうじ
- こうじと塩と水を混ぜて、炊飯器の保温やヨーグルトメーカーなどで発酵させる方法もあります
- いつものお肉がやわらかくなり、旨みがぐっと増します

「せっかく良い塩を使うなら、発酵調味料にも生かしたい」という方にぴったりの活用法です。
まずは自分に合う“塩1種類”からでOK(まとめ)
どの塩にも、それぞれの良さと個性があります。

「体にいい塩はこれだけ」と決めつけてしまうより、
「わが家はこの塩がしっくりくるな」という感覚を少しずつ育てていくほうが、無理なく続けやすいと感じています。
まずは気になる塩を1種類選んで、いつもの料理に少しずつ使ってみてください。
慣れてきたら、もう1種類試して 使い分けを楽しむ のもおすすめです。
目的別おすすめ早見表
もう一歩ミネラルを意識したい方へ(漢宝塩のご紹介)
スーパーで買える塩に慣れてきたら、もう一歩ミネラルを意識した“ブレンド塩”を試してみるのもおすすめです。
私が最近特に気に入っているのが、コトノハ工房さんの「漢宝塩(かんぽうえん)」というミネラルブレンド塩です。朝のスープやおにぎりなど、ちょっと整えたいときに重宝しています。

詳しいレビューや使い方は、別記事でじっくりまとめる予定です。
最近は、海のマイクロプラスチック汚染が気になって「どの塩なら安心して使えるの?」と不安になる方も増えています。
日本で買いやすい“マイクロプラスチックが気になる人向けの塩”をまとめた記事もあるので、より慎重に選びたい方はこちらも参考にしてみてください。
👉 マイクロプラスチックが気になる人向け・日本で買いやすい安全な塩まとめ
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塩一つとっても、毎日の食事が少しずつ整ってくると、体も心もゆるやかに楽になっていきます。

あなたのキッチンにも、「これが好き」と思えるお気に入りの塩がひとつ見つかりますように。